私のいとおしい残念な男達
「あの私、昨日って……」
ダメだ、どう考え込んでも私にはここに来た記憶が一切ないみたいだ
「ん?」
水野君の指先が、私の頰をなぞるように触れ、
見つめる目を細めた
「昨日、覚えてない?あんなに僕に身体を寄せてきてくれたのに」
「はっ?!」
その手からすぐに身体を引いた
まさか……私はまたやらかしたのかっ?!
目の前で狼狽える私のようすにクックッと肩を上げ、笑いを堪える水野君
「まあ、酔っててフラフラなのを支えるのは大変だったけどね」
「あの…それで私昨日はここで泊まったんですか?」
昨日着ていたスーツの上着だけハンガーにかけられていて、後はスカートもブラウスもストッキングさえ着たままで
一応確かめて見たところ、下着も昨日のままだったけど…………
「………」
でも、広すぎるダブルベッド………
このキングサイズのベッドの上で私がいるのは、微妙に右側のスペース
ってことは………この空いた左側に、やっぱりここで一緒に彼と寝ていたんだろうか
戸惑いながら眉をひそめる私の顔を覗き込んだ水野君が口の端を上げた
「大丈夫、さすがに酔ってる女の子に、いたずらはしないよ。
寝顔、可愛すぎて一緒に寝てると襲いそうだから、僕は隣のゲストルームで寝てたから」
終始笑顔の水野君を前に、自分の醜態の情けなさで背中に冷たい汗が一気に吹き出した感じがする