私のいとおしい残念な男達



ちょっとぉ


これが一人暮らしの自宅マンション…………?
ホテルの間違いじゃないの?




広いバスタブに浸かりながらハァ〜っと溜め息をついた

ローズアロマの入浴剤に、高級シャンプーリンスと…………

こ、これは一度だけ行ったことのあるカリスマ美容師がいる芸能人御用達の美容院の棚の中にあったヘアートリートメント…………
しかも、店で売られていても多分おすすめされるのは、限られた人に限定されるはずの代物だ


つ、使っていいのか?

洗面台には私が普段薬局でもで買うような化粧品なんて一つもなく、デパートの1階フロアーの綺麗な定員さんが、これまた限定されたお客様だけに出してくるような化粧水などその他諸々のスキンケア商品

さすが上流階級の生活層はトレンディドラマのようだ


「…………これ女性用だよねぇ…」



「小夏さんは、朝ガッツリ食べる方?」

バスルームからの扉を開けると、二日酔いなのになぜか食欲をそそられる朝食の匂いが……


「いえ、そんなには……」

完璧な和食の朝食がテーブルに並んでいる
本当に遠慮するのが勿体無いくらいだ




「水野君って、一人暮らし……ですよね?」

「そう、僕しかいないよ」


「…………」

女子力が高すぎる…………
って言うか、何この出来メンっぷり

「彼女、いるでしょぉ……?」

これでいないって事は何かとてつもない欠陥があるとしか思えない………


「そんなのいたら、君を落とそうとしないよ」

目の前で自分で作った朝食を見事綺麗な箸使いで食べている


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