私のいとおしい残念な男達

「へ?」

面倒くさそうにしていた私の態度から、どうしてそうなるのか
おかしな事を言うと、首を傾げた

「仲がいいって、どうして?」



「だって親の方が小夏さんと、それなりの適度な距離を置いているみたいだから」


「…………」


確かに無理な詮索はしてこない


「でも、そのぶん弟からの詮索は結構しつこいのよね」

そう言うと、「あくまでも僕の見解なんだけど」と、改まって水野君は箸を止めた

「それも、家族の中の暗黙のルールみたいなものなんだと思うよ、そのスタイルが。
そもそも異性の兄弟が仲がいいのは、親の夫婦の仲によるからね」


仲がいいかは疑問なんだけど、確かに私への詮索は弟から母へと繋がって、父まで通じているのかもしれない。

「…………水野君、兄弟は?」


「僕にも興味が湧いてきました?」


何気に聞いたのに、そうきたか…………

話の流れが掴めずに口をつぐむと「冗談ですよ」とクスクスと失笑する



「優秀な兄が一人いますよ」


優秀なって、なんだかちょっと棘のある言い方に思える


「え、お兄さんなんですか?」

それにしても、あの洗面にある女性用のスキンケアは、お姉さんか妹でもいるんじゃないかって思ってたんだけど…………


「…………」

考え込みながら、つい頭の中の疑問を口にだした

「じゃああの化粧品は、誰が使うの?」

言ってしまってから気がついて、慌てて口を押さえた


…………もしかして、趣味で自分で使うのかもしれないじゃん

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