私のいとおしい残念な男達
そんな考えが頭をめぐり、肩を竦めた私のリアクションに、食後にエスプレッソを入れてくれた水野君が目を細めた
「あれは訪問者用ですよ、僕が使う訳じゃないから」
で………ですよね〜
「と、言ってもここへ不特定多数の女性を連れてきた事はありませんが」
自分の入れたエスプレッソの香りを、楽しみながら口に運ぶ
ふ、不特定たすぅ……って、なんか不純だろ
「ここに連れて来ないの?」
「自分のライフスタイルを崩されたくはないのでね」
確かに、この綺麗な部屋を自分一人でちゃんと整えて生活しているのなら、世話焼き彼女なんて全く必要ないだろう
しかも今の私なんてすごく迷惑な奴じゃんっ
「あ、小夏さんだけは特別ですよ」
目の前でニッコリと嫌味のない笑顔を見せる
「…………」
でも、化粧品の中には最近出たはかりの新商品のものだってあったし、中身も少しずつ減っているみたいなんだけど
まるで定期的に誰が使ってるみたい
そう思いながらも口をつぐんだ
とりあえず視線を落としたまま、飲んでしまったカップをソーサーに静かに戻す
ほぉっ……と息をつき、いつもの二日酔いならとてもたべられない量の朝食をあっさりと食べきってしまった
「ごちそうさまでした、美味しかったです」
薄味で、食べやすく胃にもたれない完ぺきな朝食メニューだった
食べ終えたお皿を片付けるためにシンクに立つ水野君に手伝いを申し入れ二人並んだ