私のいとおしい残念な男達
「ビトゥウーン・ザ・シーツ」
水野君が洗ったお皿を、備え付けの食器乾燥機へ仕舞い込みながら口を開いた
「え?」
「お酒だよ。席をはずしてた間になんで『ビトウィーン・ザ・シーツ』なんて飲んでたの?」
「……お酒の種類なんて知らなかったんです」
ただもう少し強めの物をと注文したんだっけ
何杯か飲んでいたらいつの間にか眠ってしまったんだ
「お酒弱い人が飲むものじゃないよ、あれは」
「…………すみません」
あの時はただ、胸につかえるモヤモヤイライラを取り除きたかった
「……………」
呆れる様に隣で溜め息をつかれた
「いつもあんなお酒の飲み方するの?」
「うっ……」
お酒の飲み方に関しては、周りに迷惑までかけてしまい、いつも後々反省するばかりだ
今回もまた後先考えない行動で、水野君に多大な迷惑をかけてしまった
思わず肩を竦め、身体を縮めた
今までだって、散々黒木に注意されてきたのに
「…………本来なら僕の気分次第で君はここじゃない場所にいて、確実に朝何も身につけない生まれたままの姿で目が覚めるはずだったかもね」
「え……」
顔を上げると、それに合わせる様に少し鋭い視線で見下げられた
「男のそうゆうのは紙一重だから」
その視線に、一瞬イヤな感覚を思い出し、
ゾクッと背筋に冷たいものが走った
「ごめんなさい……」