私のいとおしい残念な男達

何度目かの溜め息をついた後、項垂れていた顔を私に向けた舞子


「偶然黒木君も彼と一緒に会社から出て来たから、ちょっと言ってやったのよ。「小夏を水野君に押し付けてきた」って」


「…………」

え、じゃあ黒木に私が水野君と一緒にいるって事、先に舞子が言ったの?


「てっきり黒木君がすぐに小夏をちゃんと見つけると思ったのよ。そしたら水野君だって引くだろうと思って」


すぐに場所移動しちゃったからなぁ……


「実は黒木から携帯に電話が何度か掛かってきてて、それを見兼ねて水野君が電話に出ちゃったって………」

「なにそれ、最悪じゃんっ!」


そうだ、あの時の黒木からの電話は何だったんだろう

ただ飲み過ぎるなってことだったんだろうか?
きっと合コンの時みたいに、頭ごなしに怒るつもりだったんだろう

「小夏、水野君は黒木君と何話したって?」

眉を歪ませて聞いてきた

「あ……?」

ふるふると、首を振った

「出た事は聞いたけど、何話したんだろぅ…」

そういえば聞いてなかった

「…………」



前に、もう迷惑はかけないって、羽目も外さないって約束したのに……





「ちょっとぉ、なんか随分向こうからでも挙動不審にみえますよ、先輩方」


ようやくたどり着いて、売れ切れないで手に入れられたB定食を持って、席に戻ったモモちゃん
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