私のいとおしい残念な男達
疑心暗鬼
どこかで自惚れていたのかもしれない
和馬がいなくなっても、黒木との関係は今まで通りだって
そう思い上がってた自分がさらに情けなくなる
「はぁっ……」
つい、胸の中に溜まって感じるモヤモヤを吐き出すように溜め息をついた
「小夏さん、聞いてます?」
「へっ?あ、聞いてます聞いてますっ」
会社の最寄り駅近くにあるカフェ
[珈琲水風温]にて
待ち合わせ場所に使われるように、店内は外から見えるガラス張りで、selfサービスにカウンターのような長続きのテーブル席がメインのカフェ店
「じゃあこれ、そんな華やかなパーティーじゃないから……」
隣に座る水野君から封のしてある招待状を目の前に出された
「え、パーティー?」
「そこで兄に君を紹介するって話でしょ」
あ……そうだった、水野君のお兄さんに会う段取り中だった
招待状を封筒から出し、その内容を確認すると
知ったロゴの会社名が
「………CoConan(ココナン)って、え?あのキッチン雑貨の?」
「そう、今年店舗を拡大して来年には海外企画も出ててね、そのまあ決起パーティーみたいなものだから」
結構定番な雑貨用品から流行のモノを扱っていて、デパートやアウトレッドに店舗数も多いキッチン雑貨中心のメーカーだ
「でも、なんでこの会社のパーティー?」
「ああ、だってウチの会社だから。兄はそこで副社長をしてるんだ」
ウチの会社……?