私のいとおしい残念な男達
「それって、じゃあ初めからそのつもりで?」
合コンからその後、何度も誘われた食事
行くお店で決してお金を払わせてくれなかったし
「さあ?どうだろう」
その辺は、はっきりしないままお得意の笑顔で誤魔化された
それって別に私じゃなくても、簡単にみつかったんじゃないの?
何たって知れば知るほどの出来メンなんだから
あなたは
「……………」
しかし迷惑かけちゃったし、泊めてもらって御飯までごちそうになったし
それでお願いされて、聞かない訳にもいかない
「私に出来るのかなぁ……」
ヘタに喋らなくても、挨拶して隣でニコニコしていればいいからって
きっとニコニコも引き攣るような気がするけど
要は恋人のフリをすればいい訳なんだけど
そもそもどの程度疑われているんだろうか?
それも今さっき知った大企業の副社長を務めるほどの相手に、この嘘が通じるんだろうか?
とにかく出来る限りの細かい馴れ初めの辻褄合わせを、打ち合わせしなければ
食事やお酒の席はもう極力避けたかった為、この会社近くのカフェを指定して良かった
セルフサービスで待ち合わせなら、奢られることもないし、心置きなく話が出来る
少し話をひと段落させて、
最近までアイスで飲んでいたのを今日は気温に合わせてホットにしたカフェオレを、ゆっくり時間を掛けて飲みながらフウッと息をついた
そんな私の顔を覗き込む様に見てきた
「そういえばアレから、僕の部屋に泊まったことを黒木君に何か言われた?」