私のいとおしい残念な男達
「自分の想うのと同じように想われているか、それを確かめる方法はエスパーじゃない限り分からないものだからね」
「……………」
ズルいなぁ、詮索されてないけど何もかも簡単に私の心中はさらけ出されちゃってるじゃん
彼の言った事に、何とか反撃出来ないかと頭をひねると、その口角を微妙に上げた
「まぁでも、僕の性分で君のためにこれくらいはちょっと検索してみたよ」
水野君が携帯の検索から日向瞳子を引用して画面をテーブルに差し出し私に見せてくれた
「?」
「この日向瞳子さんって、目立った女優としての仕事はドラマの脇役、ちょっと前にやった主役の妹役が精一杯ってところで、
後はたまにTwitterやインスタでなんとか名前だけは売れてるみたいだけど、芸能人としての知名度はそこそこ止まりだね」
確かに、黒木も彼女が女優をしてることを知ったのは最近だって言ってたっけ?
みせてもらった携帯を少しスクロールしてみた
「あ……」
「新しいプロダクションの事も書いてあったけど、あくまで希望で融資を募っているみたいだと彼女のブログにある、だから黒木君を誘うつもりでも彼女にはあまり権限はないだろうと思う、実際にはカタチになってないところからだから」
「えっ?」
携帯を凝視する私を覗き込む水野君
「あのBarでよく見かける彼女は、たぶんスポンサー探しでもしていたんじゃないかな?」
そうなんだ……
そうゆう難しい事はよくわからないけど
「だから、小夏さんに突っ掛かってきたのは、まあただの嫉妬かなにかでしょ?
今仕事で必死な自分に対して、君はきっと呑気なお嬢さんに見えたんじゃない?」
水野君は悪気なくそうゆうが
私の呑気さに嫉妬?
私には思い切り彼女の自慢にしか聞こえなかったけど
「……………」