私のいとおしい残念な男達
水野君とは付き合ってない
お互い全くその気もないまま、今日は恋人役を頼まれて、その為に会ったりしてたけど
友達?
なんだかそれも違う気がする
「じゃあ何だよ?頻繁に会ったり、こんな格好で一緒にどこに行くんだ?」
どこって……
「み、水野君のお兄さんに今付き合ってる彼女として紹介されに……」
今日何をしに行くのかと言えばそうゆう事なんだけど
どうしよう、完全に誤解されてる
「………俺には関係ないか」
静かに私の腕を離し、自分の携帯を拾い上げた
水野君とお兄さんの事は、確かに黒木には関係のない事だ
だけど……
今ここで、私がこうして水野君に会う事を黒木に誤解されるのは嫌だ
「黒木、違うの。今日実は……………」
立ち上がる黒木の腕の引き止め、水野君について初めから全てを話した
モモちゃんの希望で始まった合コンから複雑なお兄さんの婚約者であり元カノとの関係性まで
少しばかり自分の主観的な要素も交えながら
「………なるほどね」
黙って聞いていてくれた黒木が話し終えた後、そう言った
でも、日向瞳子に会った事だけは話の中から抜いた
「そもそもお前が代役をする必要はあるのか?」
「だって……迷惑かけた上に泊めてもらって、
それでお願いされて断ることなんて出来ないよ」
だから仕方なかったと私は口を尖らせた