私のいとおしい残念な男達
前に合コンの時着ていた、オフホワイトのワンピース
パーティーのためのシックで上品な装いをしている小夏、それでいてトップスがノースリーブのため、この前と違い今日はストールを巻いている
そんな格好のまま床に座り込んで、俺を上目遣いに見上げ、口を尖らせやがった
このままであいつのところへ行くつもりなのか?
「……………」
「とにかく一度連絡入れないと、もう確実に遅れちゃう」
携帯を手に取り、電話をかけてすぐに話はじめた
忘れ物を取りに会社に戻ったために、時間より遅くなると、俺の目の前で申し訳なさそうに話をする小夏
今から急いで行くつもりなのだろう
「大丈夫、会社の前でタクシーをつ…えっ!」
だから、その携帯を取り上げた
「ちょっと!な、返してっ」
手を伸ばし、奪い返そうとする小夏を横目に、
取り上げた携帯の相手の水野に直接口を出した
「小夏は今日そっちには行かねぇから」
『はっ……?』
突然の俺の声に、当然理解できず一瞬黙り込む電話口の向こう側
「話は今全部小夏から聞いたが、俺の見解でこいつが行く必要はないと判断した」
『もしかして、黒木君?』
あ、先に名乗っておけばよかったか
「ああ、」
『あれ?今二人でいるんだ』
電話口からのその質問は無視した
隣で電話を取り上げて話しているんだから当前だろ
「小夏を面倒なことに巻き込むな」
『……………』