私のいとおしい残念な男達

「ああ、分かった。そんなことなら人数あつめておく」



もう、ずっと勝手に人の携帯を取り上げて話して、背も力も敵わないから途中で諦めたけど

絶対水野君に、失礼に失礼を重ねているに違いない


………なに？人を集めるって、一体何話してるんだか


奴の話す口元を、ただ見つめていた

「……………あ」

画面を床に向けて、ライトの光で周りを明るくしたまま置いてある奴の携帯に気がついた

人の携帯勝手に使ってるんだから、この携帯勝手にしてもいいよね………

なんて良からぬことをついつい考えてしまう
どうせ見られないようにしてあるんだろうけど

「………いろんな女の子の番号いっぱいあるんだろうなぁ、どうせぇっ………」

そんな事を小声で呟きながら眉が顰めてジッと奴の携帯を睨みつける


「おいっ」

「はっ？！」


突然の声と共に顔を覗き込まれた

「なにやってんだ？」


「な、何もっ………ってかあんたがっ………」

「はい」

目の前に差し出された私の携帯

「話は終わったから、代わる」

代わる……？

「あっ！えっもしもし？」

『小夏さん？』

そうだった、奪われた電話先は水野君だった！



「水野君っ、ごめんなさいっ！黒木が……」

『大丈夫、話は終わったから』

終わった？何の話が？

『今日のパーティーの事は気にしないで、兄との事はもういいんだ』


「え？」