私のいとおしい残念な男達
さっきは、勝手に黒木が「行かないからっ」なんて言ったのに?
『僕と婚約者の、仲を疑うよりも双方で一度白紙に戻す事になってね……』
「へぇ………そうなんだ」
だから、私をお兄さんに『現在付き合ってる彼女』として紹介する必要性もなくなったと言う
実際その辺の詳しい3人の関係性は教えてもらってないままなんですけど………
行かなくていいならそれに越した事はない
実は日にちが近くなるほど気が重くなっていた
「それならもっと早く教えてくれたら良かったのに」
昨日今日でそんな結論が出たとは思えない
『まぁ僕としてはそんな事、関係なかったんだけどね』
「えっ……?」
『アプローチしている女の子に自分の部屋で、酔ったまま違う男の愚痴を延々と聞かされた身としては、少しくらい意地悪をしてみたくなってね』
「は……………え、えぇ?!」
意地悪って……?
『でもまぁ、だから代わりに黒木君が僕に合コンを開いてくれる事になったけど……』
「……………」
結局、今日のこの後の予定はなくなってしまったと言う事だ
話は終わり、携帯を切った
電話を切った途端、静まりかえった暗がりのオフィスの中
携帯の明かりだけで、隣の黒木を伺い見る
なんかやっぱり納得がいかない
「一体どうゆうこと………?」
「何がだ?」
自然に口元がへの字に曲がり、眉を歪ませた私