私のいとおしい残念な男達

「黒木がずっと一緒にいてくれるなんて保証なんてないじゃん……っ」


少し身体を離してそう呟くように言ってみると、その離れた隙間を埋めるように背中を押され、胸の中に引き込まれた


「それ、お前が言うか?」


「えっ?」

頭の上から小さい溜め息が落ちた


「無自覚かょ散々人の事振ってきた癖に、今こうなってるのは俺の諦めが悪いからだろ?」

思わず顔を上げると、直視する黒木の目が近づく

「言っとくが、一度お前と寝てから俺は、しっかりと貞操を守り抜いてきてるからなっ」


…………貞操って

「だって、あの明細……」

「そもそもあの明細書は俺のじゃないっ、阿部が嫁と泊まったやつだっ!利用者名に書いてあっただろっ?!」

利用者名……?
だって、黒木の背広にあったから……

「…………」


「なんで俺がそれを持ってたかは……」



「お前には関係ないって言った」


黒木の態度や一言に一喜一憂するんだ

そうやって何かある度に、気持ちが上がったり下がったりする自分が嫌だ

「勝手にしろって……言った」


「…………言ったな」



「黒木だって、そうやって人を突き放すところがあるじゃん」


「……………」


「そうされると、何にも出来なくなるの」

うだうだと考えこんで、そうゆう自分の弱い部分が出てきてしまう




「仕事も、日常生活もなんっにも手につかなくなっちゃうんだからっ」



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