私のいとおしい残念な男達


「〜〜〜っちょっと!!」


「ん〜……?」

ワンピースの背中のチャックが手馴れたようにゆっくり下ろされていた

頭を傾けた黒木の舌が首元を伝う


「待っ、黒木ーーっ」

肩を押し出し、致そうとする進行を止める


「大丈夫、今日は誰もいねぇって………」


確かに停電のせいで残業する人はいないがっ

「か、会社だって!!こんなところでっ」


濡れた舌が擽るようにゆっくりと下がっていこうとする

「……小夏、シーーっ」



「あ…………っ!」



電気がついたっ


停電の時間は約1時間だった

携帯を探しに会社に戻ってきて、みんな帰った部署の電気をつけ、自分のデスクにある携帯を見つけたところで、

つけた電気がいきなり消えてパニックになったんだから


停電が終われば消してない明かりが再びつくのは当たり前だ


こんな状態で、ハッキリと目の前にのしかかっている黒木


「っっ!!!」

さすがにその顔を剥がすそうと頰をペチペチと叩きながら押し出す



「黒木っ電気ついたァァ〜!!」



「……………」





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