私のいとおしい残念な男達



「あ、ねぇそう言えば舞子たちと一緒だったんだよね?」


私が会社にいる事を舞子たちと偶然会ったことで知って駆けつけてくれた黒木


「まだいるでしょ?充電なくなっちゃったし、舞子のところに行こうよ」


「あっ………」


私の話に、何かを思い出したかのように立ち止まった


「ヤベッ、置いてきちまった…………」


「?」



そのまま手を引かれ、たぶん黒木が元いた居酒屋さんに向かっているんだと思う



…………そう言えば黒木も友達と飲んでたって言ってたっけ?






「………………」


「あっ、お疲れ様〜!」

開口一番にモモちゃんが声をあげた

平日だけど、そこそこ混み合っている店内のテーブル席に、モモちゃんと舞子が二人並んで座って、何杯飲んだのか空のグラスや頼んだつまみが置いてある

「一緒にやってたんだな」


そこにいるメンバーの状況に、驚きもしないまま、真っ直ぐと黒木が話しかける


「あれ?小夏先輩、パーティーはどうなったんですか?」


「へ?あ、キャンセルで……」

一応モモちゃんからの質問に返答はしたが、私の見つめる先はおよそ違和感のある人物一点だけ


「そっちも一緒に帰ってきたんだ」

その一言をこっちに向けて放った舞子の向かいに座る私と毎日嫌という程顔を合わせる人物に対して、この場で眉間に皺を寄せ、首を傾げているのは、どうやら私だけらしい



「なんであんたが一緒にいるのっ?」


目の前の4人掛けのテーブル席に、舞子とモモちゃんと

我が弟である愁士がそこにいて当たり前のように座っている


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