私のいとおしい残念な男達
さっきまでの話の流れ……?
少し微妙に目尻をさげる愁士
大体、舞子もモモちゃんも「愁士君」なんて呼んでること自体、いつの間にどんなに馴染んでるんだって話だよ!
「何話してたの………?」
もうこの場の雰囲気には、意味が分からない
まるで私だけ、クイズ番組でヘッドホーンさせられて大音量で音楽流されていた直後みたいだ
「…………」
「要は庇護されてたって事よ。小夏は会社でも家族にも見守られてたってコト」
「???」
「でもこれからその保護者は、もう一人でいいでしょ?」
意味ありげにニコニコと黒木に微笑む舞子
「とりあえず姉ちゃんお腹空いてるだろ?色々たのむ?」
会話の進行を一時中断するようにメニューを渡された
「カボチャのコロッケと、ポテトのチーズ焼きは頼むだろ?姉ちゃん好物だから」
「あ、うん、そうだね」
隣で大きく開いたメニュー表をめくりながら、私の好きなおつまみを次々と指定する愁士
「後は酎ハイでいいか、酒癖悪いから」
「ムッ、一杯二杯は大丈夫よっ別に」
メニューを取り上げ、カクテルのページを開く
「梅酒のソーダ割り氷多めだ」
反対の隣から既に自分のビールを頼むついでに定員にそう告げる黒木
「いやいや、ここは青リンゴ酎ハイでしょぉ」
かぶせる様に声を張り、そう言う愁士
ちょっと? 私の飲み物だから……
結局どちらも私の目の前に出された
まあ………どっちも好きだけどね、
梅も青リンゴも
「……………」
目の前に座る二人の眉が微妙に歪む
「…………大体、舞子先輩が言ってたことが分かりました」
なんだか呆れたようにそう呟いたモモちゃん