私のいとおしい残念な男達


「相手はやっぱり噂通り、あの輸入部の七瀬さんなんですか?」


『あの七瀬さん』

黒木さん同等、彼女も今や有名人だな

桐生さんと黒木さんと3人でいた頃はなんとなく近寄り難かったけど

あの二人と並んでいてもいつも堂々として、実際本当に噂通りの女王様タイプなのかと思ってたら

案外と黒木さんに弄られてるし

桐生さんと別れたならすぐにでも黒木さんと付き合うのかと思いきや、この一年は随分黒木さんが振り回されてたみたいだし


「一体、あの二人がどうゆう経緯で付き合ってるんですか?」


「それは黒木さん本人に聞いてよ。僕じゃ分からない」


ほっといてあげろよ、大事にしてるの分かるだろ?
あの人本当に七瀬さんが好きなんだから

壊したくないから黙ってるんだろ………?

「でも、今日確か海外部のトラブルであの人の元カレの桐生さん一時帰宅してるって………」


目の前の3人の女子の1人がボソッと呟いた

「えっ?」

「こっちにくるほどのトラブルでもないみたいなのに、わざわざ3日間だけ帰ってくるらしくて」

「へぇっ……」

「きっと、彼には別の用事があるんじゃないかって」


また、本当にこの会社は当事者そっちのけかよ

別のもう1人が付け足す様に顔をあげ俺を見上げる

「実は別れた七瀬さんを迎えにきたんじゃないかって噂で聞いたし………」



「…………」


大問題じゃねぇか、それ




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