私のいとおしい残念な男達
「やっぱりなんて言っても元の【ange】の品評も下げないままに幅広い女性の心をつかんでるよねぇ」
そう言うと、向かいに座る黒木が一旦目を剃らし自分の頼んだハイボールのグラスを持ち上げた
「別に……………ただ何人かの企画の中でたまたま俺の案が採用されただけで、その後はクリエイティブの会議からいろいろバージョンが決まったんだ」
ぶっきらぼうな言い方をした割りに、微妙に嬉しそうだ
同じ年に入社しても、能力に応じてすっごい事に関わってる人がいるんだなぁ
少しお酒も進み、頬をピンクに染めながら、口数も多くなる私
「お前の発表は散々だったな。大体なんで一人だったんだ?名前はもう一人いただろう」
「……………いいの。どうせやっつけ仕事なんだから」
「どうせ全部押し付けられたクチだろ」
クックッとこれまた嬉しそうに笑う
はい、確かにその通りですけど
「でも、一生懸命自分らしい言葉や感想が入ってて分かりやすかったよ」
やっぱり優しい男は誉めてくれる
そうそう私なりにやりきったのは間違いない
「中学生以上高校生以下だな」
もう一方は、なんだか一言一言カンに障る
こんなキッカケでこのハイスペックな2人と私
仕事の接点はないものの、なんとなくたまに連絡がきて飲みに行く友達になった