私のいとおしい残念な男達


先週の週末は、残念ながら仕事が立て込んで土日もクライアント先へ出向くために潰れてしまっていた
だから今週はちゃんと空けると、連日ハードなペースをこなす黒木さん

そんな時に限って現場に出向く事が多くて、たまにこの人が二人いるんじゃないかと思うくらい忙しく、尚且つ効率よく仕事している黒木さん

スゲェよ、感心するよあの人のヤル気スイッチには


って言ってる場合じゃない


「黒木さんっ」


とりあえず桐生さんの事が本当かどうか分からないけど、聞いた事だけでも


この時間なら企画会議にいくだろう黒木さんを探して呼び止めた



「あ………」


タイミング悪く、その傍に七瀬さんの姿が


「なんだ?阿部」


「………いや、珍しいですねここで七瀬さんと一緒なんて」



「お昼にね、食堂にボールペン忘れてったから届けにね」


お昼は今日食堂だったんだ

付き合ってる事を語らないだけで、実際二人でいることを見かけるから噂になるんだろう


確かに前と比べて少し距離が近い

たぶん黒木さんが間を取らないからだろうが


「今から会議だ、その後は丸の内まで行かなきゃいけないから会社には戻れないが、阿部は何か用事だったか?」


なんか、二人の邪魔になったみたいだな


「いえ、会議忘れてないかと思って………」

そんな事かと首を傾げる黒木さん

さすがに、七瀬さんの前で桐生さんの事は言えないな
< 340 / 410 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop