私のいとおしい残念な男達





朝、業務中に舞子から携帯に電話があった




「え………和馬が?」


『そう、私も今朝聞いて、昨日から明日までいるみたい。やっぱり小夏も知らなかった?』


電話だから見えないのに、思わずコクコクと頭を下げてしてしまう


『黒木君とか、からも聞いてなかったんだ」


「………うん」

黒木は知っていたんだろうか

そんな舞子と電話しながらパソコンでメールチェックをしていると、


ん? 海外事業部?

私宛の社内メールが


「あ……………」




『小夏?』


話の途中で黙り込んだ私



【 受信ボックス 】

from 海外事業部 D
件 名 □ 久しぶり

和馬です。今日会える?
よかったら連絡下さい。


「………………」


携帯を持ち直し、舞子の応対をしながら一旦パソコンから目を放した

「ん、なんでもない。教えてくれてありがとう」

電話を切って、改めてパソコンに向う

少し考えて返信した


【 送信ボックス 】

from Re: 輸入部 3課
件 名 七瀬

久し振り
じゃあ今日18時に[珈琲水風温]で


打ち終えて、小さく深呼吸して業務に戻る



「先輩、さっきの舞子先輩ですか?」

私の様子を後ろの席から伺っていたモモちゃんに声を掛けられた

「あ、うん、そう」


平常心を保ちながら答えると、デスクの椅子を引きながらピッタリと近づいてきた


「桐生さんのことですか?」

さすが、情報早いな若い子のほうが………


「…………」

答えないまま仕事の手を止めない私に、違う話を振ってきた
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