私のいとおしい残念な男達


「波留は?今日は残業しないんだろ?」


「………うん、でももう少しかかると思う」


今3人揃うとお互いどんな空気になるんだろう

本当にこんな日が、こんなタイミングで来るなんて思ってなかった


「そうか、やっぱり来るんだ………」


「ん?」

何となく首を傾げた


「いや、いい」と含み笑いしながら首を振った和馬


「何?」


「…………付き合ってるんだなって思って」


「…………っ」


「最近だって?」


「まあ………ね」

やっぱりそうゆう話になるよね


「和馬は? あっちの仕事、忙しい?」

ああ〜
話を逸らした感ありありだ………
忙しいに決まってるよ、何たってエリート事業部なんだから


「大丈夫、思いの外日本よりのんびりやってるよ。やり方が違う分始めは苦労したけどね」


「へぇ〜……」




『友達に戻ろう』と別れた一年前

それから一ヶ月後ロサンゼルスに行くまで、
社内で何度か見かけたものの、
自分の存在を隠して、そのまま見送りにも行かずに過ぎてしまったっけ………

こうして二人並んで昔みたいにここにいるのがなんだか不思議だ


いや、でも昔とは違うか…………


「小夏は?元気してた?仕事は順調?」

「おかげさまで、相変わらずだよ。」


私の周りに和馬がいなくなっただけで、その他は正直暫く何も変わらなかった

変わったのは、極々最近だ


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