私のいとおしい残念な男達


「なにかされたの?」

和馬からも心配しているように、顔をしかめられた

「ちょっと会議室に呼び出されて囲まれただけかな?」

たいした事はなかったし
確か人数は女子5、6人だったか

「聞いてないぞっ」


「それ、どうしたの?」



「………一応あやまっておいた」


「あやまった?!なんでお前が謝らなきゃいけないんだっ?!」


なんだかすっかり尋問みたいに責められている

「だって………仕方ないじゃん。順番だったって言うんだから」


「「………じゅんばん??」」


どうも、黒木へのアプローチにはファンの間でいくつかのルールがあったみたいだ


いままで数多くの黒木の恋愛の中で、奴は絶対に二股三股はかけないとの事で………

フリーになったあかつきには、順番に告白の権利が与えるられる…………とかで、私はルール違反だと攻められたのだ


「誰だよ、その呼び出した奴って」


「…………」


私は黙り込んで、黒木を見上げた

「なんだよっ………」

誰だって、教えるはずないじゃん。
これから彼女の座を狙ってる女子の名前なんか


「彼女達には『ごめんなさい、もう順番は回ってこないから』って言っておいたし」


「…………っ」


「へぇ………そんな風に言ったんだぁ」


私の言ったことに、目を丸くする黒木と感心する和馬


「だって、針千本のんだら死んじゃうじゃん」

死んだらもう次はない訳だし


「針千本?」

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