私のいとおしい残念な男達


付き合ってみたけど上手くいかずに別れていたりしたら………なんて

そんな事を思っていた自分が、
ズルくて情けない



そういえば、今どうして小夏からの電話が?

「どうしたの?まだ何かあった?」

『………うん、』

口に含んだまま、何か言いだそうとしている

『あいつが心配するんだよっ、向こうで何かあったんじゃないかって………』
どうしてそんな事
顔さえ見せてないのに、見破られた気分だった



俺って、そんなに分かりやすかっただろうか


『和馬………』


それとも、やっぱりこれ以上は………とか
三行半をつかれたりして



『…………ごめんね』


「……ん?」


電話口からは、静かに謝罪の言葉が流れてきた


「え、何がごめん?」



今までの中で小夏からの謝られる様な事
あったか?

『私、何にも分かってなくて………』


「………もしかして1年前のこと?」


それは正解なんてなかった俺たちの別れだろう

精一杯の友達宣言



『うん、あのね…………』


思いの外その後、自分にとって空虚感を感じ
違うやり方があったんじゃないかと、何度も思い返した


本当はメンタルが弱い自分の最大限の強がりだった



『和馬が一番辛かったよね』




「……………っ」


今更とか、思う
君を傷つけたのは俺なのに



『3人友達に戻ろうって、そうしたかったのに出来なくて…………』


二人が好きだったから


『和馬………』



本当は………帰りたかった
でも、出来ないから離れた


本当は一緒にいたかった


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