私のいとおしい残念な男達




「………お前、よく食えるなぁ。
さっき飯食ったばっかりだろ……?」


「甘い物は別腹別腹〜」


「……………」




私の目の前にある、フルーツを散りばめたクリームたっぷりのパンケーキ

アイスクリームにジャムソースがかかった

多くのインスタに載ってる有名なスイーツメニュー

ずっと来たかったんだよねぇ

買い物を終えて、ランチして、時間があったから入った最近話題のスイーツカフェ

目で楽しんだ後
一口食べるたびに頰が上がる


「………クリームばっかりだな」


「食べる?」

パンケーキに生クリームをたっぷりつけて、その上にフルーツをのせて黒木の前に差し出してみた


「いや、無理」


私の前にあるクリーム盛りのパンケーキに対して、眉を歪めてブラックコーヒーを啜る黒木


「だよね」


アイスクリームは食べれるのに、本当に生クリームは嫌いだよね


「アイスクリームのとこは?」


「俺に別腹はない」


ヘイヘイ、さよかい………





『見て見て、あそこぉ彼氏カッコイイ……』


なんと言ってもやっぱり女子が多いスイーツカフェで、カップルはチラホラ

そんな中での黒木は目立つ




『………なんか彼女に無理やり連れて来られたっぽくない?彼氏不機嫌そぅ』


『本当ぉだぁ、やだぁ、かわいそう〜〜』



「……………」

こっそり、しっかり聞こえるその声に、つい肩を縮めてしまう



スイーツ男子じゃあるまいし、確かにこんな所黒木は嫌だよね
さっさと早く食べてしまわなきゃっ


< 370 / 410 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop