私のいとおしい残念な男達


「不思議なくらいは余計だ、バカ」


目の前でその整った顔がくしゃりと目尻を下げる

「………でも、これは今だけ取っていいか?」

私のうでにある今日お揃いで買ったブレスレットを指で引き上げる

「えっ?」

既にさっきまで黒木の腕についていたブレスレットは外されてテーブルに置いてある


「こうゆう時は、和馬抜きだろ?」


3人お揃いにしたシルバーのブレスレット


「あ…………」


ゆっくりと私からそれを抜いて、自分の置いたブレスレットの上に投げ出した




どちらからともなくお互いを煽るように、深く長い口付けが続くと

「小夏………」

黒木の上にいる私の背中から、引っ張られるようにバスローブがおちて、跨る脚にそっと黒木の手が触れる

「あ………んっ…」

リップ音をさせながら次第に黒木の唇が首筋を伝い、背中を反らした胸まで落ちてくる

段々と、自分の中の羞恥心が欲情に変わる

少しずつソファーに身体が崩れ堕ちて、完全にその黒木の上で踊らされる


「いい眺めだな」


私を見上げ、獣のような瞳が甲を描く


「初めて会った時の感覚だ………」


「え………?あ、ん…」


クックッと何かを思い出したのか、黒木が含み堪えながら笑う


何?


「やっと、手に入った………」

ぎゅっうっっと私の身体に抱き付いた黒木が、聞き取れない声で囁いた



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