私のいとおしい残念な男達
2度目のシャワーで、髪はまた少し湿ったままの黒木
ベッドから立ち上がり、その髪が隣の私の肩に冷たい雫を落とした
「黒木?」
立ち上がってテーブルにある二つのブレスレットを取ると、それを私の指輪の嵌めた手首と、自分の腕に着けた
「あ………」
それはなんだか色的に指輪とマッチしていた
「やっぱ、シルバーのブレスレットにしてよかっただろ?」
私的にはゴールドのブレスレットを推していたんだけど、黒木がどうしてもシルバーだと言い張ったのだ
この指輪に合わせたんだぁ
二つのアクセサリーを眺めながら、
また頰がフニャンと緩む
ベッドの淵に座る私の目の前で立ちながら見下ろす黒木に案の定その頰を摘まれる
「幸せそうだな、でもいつになったら
お前は名前で呼ぶんだぁ?」
「ひぃはぁい………」(痛い)
頰が伸びた私の顔を見てハハッと笑う
その後ふぅっと小さく息をついた黒木が、肩を落とし少し表情を曇らせた
「…………正直、ちょっと焦った」
「ん?」
摘んだ指を離しながら、ボソリと呟いた黒木
「今回和馬が帰ってきて、あっさりお前を持ってかれる事しか想像でかなかった…………」
「え………」
そんな真剣に思ってたなんて思わなかった
項垂れた黒木の顔を覗き込む