私のいとおしい残念な男達
……………
………bubu………bu……
bububu …………bububu …………
bububu …………bububu …………
頭の上で微かな携帯の震える振動がする
「う〜〜っん…?」
着信?
鳴り止まないし、私バイブ機能にしてたっけ?
「……………」
壁全体の大きな窓のカーテンが、夜景見たさに開けっ放しになっていたせいで、部屋全体に朝日が注ぐ
ああ、そっかぁ昨日泊まったんだ…………
隣に眠る黒木の気配を感じながら、眩しくてしっかりと目が開け切らない状態で、鳴り続ける携帯に手を伸ばして探す
手元に入ったその携帯を持ち上げ、耳にかざした
「ん、だれ……?」
いったい今何時だろう
昨日って、いつ寝たんだっけ…………
『あなたこそ誰よっ』
ハッキリとした若い女性の怒声が耳に響いた
え………?
耳から離し、その携帯を目の前にすると
これ………私のじゃない
『今そこに黒木波瑠登いるんでしょっ!?
出してよ』
電話口の声が、今そこで眠る黒木を呼んでいる
しかもかなり慣れて怒鳴っている
「…………っ」
ガコンッ
「いてっ、」
私の放り投げた黒木の携帯は、ピンポイントに奴の頭にヒットした
当たったところを抑えながら目を覚ます
「黒木、電話」
「…………は?」