私のいとおしい残念な男達
『小夏さんだったんだァ〜もう、そうならそうと言っといてくれなきゃァ〜
波瑠にいもいつの間にって感じだしィ、なんかごめんねぇ、邪魔しちゃってェ〜』
「…………波瑠にい?」
もしかして、この子………
『前から休みになったら買い物付き合って貰う約束すっぽかされてばっかりだからさァ〜
仕事だって言うから我慢してたのにィ〜
また今度とか言って、自分遊んでるからァ、頭きちゃってさァ〜』
思い出した、確か葵ちゃんだ
まだ高校生だった黒木の…………
「誰が彼女だ?小夏」
「妹、さん?」
顔を黒木に向けた途端、長い節のある指が伸びてきて、殺人的なデコピンが落ちてきた
「ったぁ!」
「ったく、このバカ。どれだけ俺がお前に尽くしたって信用ないんだな本当に………」
電話を切った黒木が、その携帯をベッドに放り投げた
「…………だって」
いや、でもここは謝らないと
「ごめん………」
「…………」
ああ、やっぱり機嫌悪くしちゃったぁ
確かモモちゃんがいっていたこうゆう場合の対処の仕方は…………
「本当にごめんねぇ、波瑠ぅ」
頭を少し下げて、そこに両手をグーにして乗せながら、舌だして頭傾けて『テヘペロッ』だったっけ?
「…………ほぉっ、上等じゃねぇかっ」
ぇあ……やっぱりダメ?
「わっ?!」