私のいとおしい残念な男達
和馬からの手紙





「小夏、和馬から手紙がきた」




それは、なんの前触れも無く来た手紙

我が夫が、ヒラヒラと玄関からそのエアメールを振りながらリビングにいる私にところへ持ってきた



付き合い始めて1年半後、30歳になる前に、晴れてわたし小夏と黒木波瑠登は結婚致しました

和馬とは、あの時空港に見送りに行ったっきり会っていない


見送りに行ったその半年後に会社を辞職した彼は、音信不通になり連絡が取れなくなってしまった

「向こうで起業するとは言っていたんだ、心配する事はない」

そう言って波瑠は、きっといつか向こうから連絡してくるからと、私に言った



結婚式には出席してもらおうと、早めに和馬の実家に招待状を出したものの

返事が来ないまま、席が空席になってしまった

が、その代わり
桐生和馬の名前で祝辞が届いていた





お二人の最良の日に
遥かな地から祝福をお送りします。
今日の感動を胸に刻み、
永遠にベストパートナーでありますように。

From 和馬



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