私のいとおしい残念な男達



AM11:00

「おはようございます………」


腰を低くして部署の扉を潜る


とりあえず見渡せばデスクにいるのはさすがに2、3人いるだけで、20人前後のこの部署は午前中いつもこんなものだ


ホッと一息ついて、パソコンの電源を入れる
メールチェックをすれば、嗚呼……仕事の現実が待っている



「あれ?七瀬さん今日昼からじゃなかったんですか?」


倉庫から帰ってきたのか、商品を詰めた段ボールをミーティングルームに運ぶ後輩の柿崎君


「あー………調子良くなったからね。昼イチから来るより仕事に入り安いかなって」

一応この前までの午前様続きの仕事の疲れって事で、朝ちょっと貧血を起こしたと電話を入れておいたが


「成る程、その方が印象いいですもんね」


「……………はは」

しっかり見破られてる………二日酔い
臭いチェックは完璧なんだけど



輸入品の食品から雑貨、衣服関係など色々な担当に別れて取り扱う比較的新しい部署で、午前中は基本的に外出しているか、商品の確保と整理で倉庫などに行っている事が多い

【株式会社ONEトライ 】

会社は総勢5000人の大手企業で、海外事業から、ホテルや家具メーカー、広告事業のクリエイティブ関係など手広く事業をひろげたちょっとした名の通った会社だ


そしてその大手企業の輸出入部門
『輸入事業部 3課』それが私の職場だ

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