私のいとおしい残念な男達
だからだろうか、最近の小夏はパンツスーツがほとんどになっている
とは言ってもまあ、小夏は小夏で全て回りが敵ばかりと言う訳じゃない
同期で総務課の岬舞子から部署の後輩女やその他にも小夏の人の良さから結構な友達はいる
『本当に、小夏の周りには質の悪い虫がいるみたいね』
岬舞子がそう言ったが、俺はその虫の中の
一人か?
「…………っ」
考え込んでいる俺の横から阿部が覗き込んできた
「黒木さん今日、なんか機嫌悪いんですか?さっきから青くなったり赤くなったりしてますけど……」
「…………なぁ、阿部?」
改まって175㎝くらいの阿部を見下ろした
「なんですか?」
怯まずに、なんとなく余裕を見せている阿部
「お前の彼女は本当にお前が好きだと、どうすれば分かるんだ?」
「え?あー……」
俺の聞いたその質問に、答えが見つからないらしい
ほら、お前だって考え込んだりしてるじゃねぇか
所詮、相手をすべて理解なんて出来る訳じゃない
阿部から一歩前に出て先に部署に入ると、後ろから声が掛かる
「人の気持ちなんてエスパーじゃないんですから分からないのは当たり前じゃないですか。でも、俺が彼女を好きなんだから仕方ないんですよ黒木さん」
そう言って俺を追い越し、振り向きながら阿部は締まりのない顔を見せた
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