私のいとおしい残念な男達
遊園地デート
暑くなるほど照りつけてはいない太陽
風もなく、適度に雲が掛かった空
日焼けの心配もなさそうで、10月だし、それほど厚着しなくてもよさそうだ
なんて遊園地日和
「ええとぉ……………だからぁ」
「でっ? 何で絶対来いって言った和馬が来ないんだっ?」
待ち合わせの開園場の前で、3人
朝、家を出掛ける前に和馬から電話が掛かってきたんだと告げる
「仕方がないでしょ、仕事だって言うんだもん………」
不機嫌MAXな黒木 そりゃそうだよなぁ……
秋山さんは別に気にもしていない様子で
当たり前のように黒木の隣についている
「3人のままなのか?」
いい歳した大人が3人で遊園地はちょっと痛い
「その事なんだけど………」
出来ればここは黒木と秋山さん二人で楽しんできてほしいんだけど…………
ふぃに、目の前で秋山さんが黒木の腕の服を引っ張る
それに気がついた黒木が秋山さんの顔の高さまで身体を屈め、耳を彼女の口に寄せる
「ん? なに?」
端から見れば……いや、元々恋人同士な訳で
違和感なくその仲良さそうな仕草に、ピタリと私の声が止まる
「ねぇ黒木さん、桐生さんと七瀬さんが別れたって噂、本当? だとしたら私今日悪い事しちゃった?」
こそりとそう言って黒木を見上げる秋山さん
「お前、今聞いてただろ?仕事で来れないって」