私のいとおしい残念な男達
「でもぉ、遊園地で3人はつらいでしょう?」
ははっ、もう帰っていいよって?私だって帰りたいわっ!
「……………」
そのまま秋山さん、黒木の腕に絡んで私をジッと見つめてくる
「あのね、実は和馬が来れない代わりに……」
「すいませんっ、遅くなりましたぁ」
遊園地の開園門の前にいた私達に走り寄って来た男性
「?」
「あっ」
私が彼を見て声をあげると、ニコリと笑顔で返してきた
「水野です。初めまして、小夏さん?」
訝しげに彼を見る黒木を横目に、私も水野君に挨拶をした
「和馬の代わり?」
朝和馬から行けなくなったと電話があった時に、『俺の代わりに水野って奴が行くから』って
「朝そう言われて………」
和馬とは同じ大学時代の友達だと言う水野君
当時の大学OBで飲み会があった時、久しぶりに会って、それから何度か連絡を取り合っていたらしい
「僕も突然頼まれたんだけど、楽しそうだったから遊園地、久しぶりだし」
「…………代役なんて」
そこまでする事か?と呆れて眉をひそめる黒木
「だって、遊園地の前売りチケット4人分小夏さん買ってあるんでしょ?」