私のいとおしい残念な男達

「ええっ、彼女いないんですか?水野さん」


「だいぶ前に振られてから、勉強が忙しくてね。桐生に誰か紹介してくれって頼んでるんだよ」

尚も話しは弾む二人
なんか、私達の事忘れてない?


「……………」


黒木が私の隣でピタリと歩きを止めた


「なぁ、あれ乗らないか?」


指差したのは、この遊園地の最大メインのジェットコースター

まあ、確かにせっかく来たんだから…………


黒木の提案に、私も足を止めた



「あ、僕は遠慮するよ。ちょっと絶叫系は苦手で」


黒木が指差したジェットコースターを見上げた水野君がそう言う


……え? 乗らないの? じゃあ私も?


この場合、さすがにペアがいないとなぁ………


「あ、私も今日スカートだし」

水野君の隣で秋山さんが黒木に手のひらを振る


はぁっ?!


「じゃあ、小夏行くぞ」


「えっ、私と?!」

黒木に手を引かれ連れていかれながら、水野君と秋山さんに見送られた


並びの待ちはほんの10分くらい

その間黒木と二人ジッと順番を待つ

「……………」

遊園地でジェットコースターに乗れないって、何しにきたの?


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