私のいとおしい残念な男達


「その呼び方やめて下さい、井ノ上さん」


ニコニコとやたら絡んでくるが、いい加減セクハラでいつか訴えてやる


「ここ、こなっちゃんの為に席取っといたよ」

そう言って自分の隣にある空いた1つの席の椅子を引く


「…………結構です。私、舞子とモモちゃんと一緒に座る席がありますから」


総務部の仲のいい同期の岬 舞子(みさきまいこ)が先に来て、いつもながら席を取ってくれている。


大体、私の後ろにいるモモちゃんが見えないのか?

「えー、午前中こなっちゃんが居なかったから僕大変だったんだからぁ」


それはあんたが昨日やっておくはずのリストチェックしてなかったからだろ………

どうせ朝、私にやらせるつもりでの机に置いておいたんだろうが


「………それはすみませんでした」

頭の中で吐き捨てるような舌打ちをして、
そのまま身体を翻し席を確保してくれている舞子のところに移動した。




「中身のない男にまでモテるのね、小夏って」


毒舌で感の鋭い舞子さん
聞きたいことや言いたい事に容赦がない


「やめてよ。本当に、ああゆう駄メンズは腹が立つ」


「井ノ上さんって部署内の欠陥品ですからねぇ………」

4年も下の女の子にさえこんな事言われてるぞ、井ノ上




席を確保したところで、それぞれのセルフランチを取りに行く

さすがに二日酔いの影響で食欲がない
もぅ、暫く禁酒だな………

サラダと大根とイカの煮物、それに冷奴をトレーに乗せた

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