ただ、好きなだけだった。
私は今度は目を閉じて、会話を聞いていた。
「何で母さんはそんなに紗由の事を嫌うんだよっ!そりゃあ紗由は少しばかり口が悪いかもしれないけど……紗由凄いいい子じゃん!私の大事な妹なんだよ!もうこれ以上紗由の事を傷つけないで……。次紗由の事を傷つけたらいくら母さんだとはいえ許さない」
涙が溢れた。
私は寝返りをうつふりをして姉ちゃん達に背を向けた。
だってそうしなきゃ涙で私が起きてる事ばれちゃうでしょ?
「ちょっちょっと柚梨亜ちゃん落ち着きましょ?ねっねっ?」
一生懸命姉ちゃんの機嫌をとろうとする母。