ただ、好きなだけだった。


「夢花ぁ?声でかすぎっ!!!っつか何で海里の携帯なの?」


『自分の携帯だと電話代かかるから(即答)』



何だコイツ……。



「ウゼーえっ」


『何だとーぅっ?だって今月携帯代ヤバイんだもーっん!!』


「あらそうすかーぁあ」



『何よーう!その面倒くさそうな返事わーあっ!!』



《プルルル−っ♪まもなくぅ3番線に電車が到着します。黄色い線までお下がり下さい》



「あっ!電車来たから切る!ばいばいっ!!!」


『あっ!ちょっ……』



プーップーッ………



私は電話を切って、電車に乗り込んだ。
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