ただ、好きなだけだった。
ガタンゴトーン……
ガタンゴトーン……
私は窓際の席に座って、外の景色を眺めていた。
綾ちゃんにすでにメールを送った私はする事もなく、ただボーっと窓の外を眺めていた。
私が住んでいるのは安城。
綾ちゃんが住んでいるのは幸田。
たった2駅の距離。
とても短い距離。
だけどこの時は、ひどく長く感じられた。
スローモーションに景色が流れる。
いとこの家には何回も行った事はあるし、電車にもよく乗るのに……
この時は初めて電車に乗るような…どこか知らない場所行くような…不思議な感覚だった……。