ただ、好きなだけだった。




箱を見た私達。



箱の中には、小さく可愛い……春香がいた。



その表情は…すやすやと寝息をたてて眠っているようで……私は余計に春香の死を理解出来なくなった…。



「柚梨愛……紗由…。これで…春香と会うのは最後になっちゃうから……だから……頭なでなでしてきてあげて……」




和君に言われた通りに私とお姉ちゃんは春香の頭をなでなでした。


手を握ってみたりもした。

でもその手はすごく冷たくて……



いつもは握り返してくれる小さな指も……今日は全然動かなくて……。




なかなか理解する事が出来ない幼い私でも……何だか泣けてきた。
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