ただ、好きなだけだった。
「ねえ紗由ー?今回はどうしたの?何か辛い事あったんか…?」
龍也が遊びに行って、綾ちゃんが寝ている今、百合が話かけてきた…。
「ねえ百合ー…。何でお母さんはあんなにも私を怨むのかな…?」
「……!紗由…!そんな言い方しないで…。お姉ちゃんは紗由を怨んでなんかないよ…。ただ……」
「ただ…?」
沈黙がはしる。
この時に…初めて暗黒の陰がハッキリと見えたのかもしれない…。
今までは何となくだった陰。
しかし百合の1言で…暗黒の陰が姿を表したの…。