ただ、好きなだけだった。


「ねえ百合…。教えて?ただ…何?」




「ただ………っ。ううんっ!やっぱ何もないわっ!気にしないでっ!!!」



百合はそう言って笑った。

無理矢理だったけど…。





「そう…?」

私は百合の無理矢理の笑顔に気付いていたけれど、わざと気付かないふりをして…笑顔を作った。



「そーよっ!!ねえ紗由☆人生ゲームでもしましょーよっ♪」




「おっ☆いいねぇー♪」





暗黒の陰が近付いていたのに……



神は私を闇に連れ去ろうとしていたのに………




私は気付かないふりをして……


百合の言葉から……



真実の言葉から……




私はただ逃げていた……
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