ただ、好きなだけだった。



「そうか、そうか。それよりコンビニでいろいろ買ってきたぞ!紗由も綾も食え」


目の前に広がったコンビニ袋の中には、生春巻サラダ、唐揚げ、パン……様々な食べ物が入っていた。




そして、和君の手にはソフトクリームが握られていた。



「百合、ソフトクリーム買ってきてやったぞ♪」


そう言って、和君はソフトクリームを百合に渡そうとした。


でも………



「いらないわよっ!!夜中からそんな物!それよりアンタまた女の子がいっぱいいる店行ってたでしょ!」



女の子がいっぱいいる店…


それはきっと、キャバクラの事を指しているのだろう。




「行ってねーよ、あーイライラするなー!」



ぐしゃっ




和君が、机に置いたソフトクリームを手で潰していた。




和君の手にも、机にも、ソフトクリームがたくさんついていた。





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