ただ、好きなだけだった。
再び家へ…

深い傷




あれ…何で……?



私はたった今、寝起きのまま1階におりて来た。



そして、考えてもなかった光景が……。





「あっ。おはよう紗由。家に帰るよ!」



そこには……私の姉の柚梨愛がいた。




今の時刻は朝の8時。



いつもだったらまだ柚梨愛は寝ている。



今日はここに来るためにわざわざ早起きをしたのだろうか…?




何でわざわざ来るのか…。



「紗由、帰ろう?紗由と私の家に帰ろう…?母さんだって待ってる」




「あの人は私の帰りを待ってなんかないっ!私の居場所はあの家になんてないの。私はあんな家に帰りたくなんかない…」





気付くと私は泣いていた。



本気であの家に帰りたくなんてなかった…。




あの家は…私の孤独を大きくする。





母親からの憎しみを強く感じる…。




私の居場所はあの家にない。





.
< 97 / 114 >

この作品をシェア

pagetop