あの日、あの場所で-君に恋した夏の日-

私は、何が起こったのか、

理解したくなかった。

――けれど、看護士に「死」という言葉が使われたことにより、

(あぁ、お父さんは、

死んでしまったんだ…)

「え?

お父さんが、あの元気な警察官が、

死ぬわけなんて、ないよね、お母さん…」

急に何もかもが可笑しくなってきて、

私は訳も分からず、

「ねぇ、お父さん、生きてるよね…ははっ、はははっ…

お父さん――!」

と、狂いながら、哭いた。
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