俺様上司に、永遠の愛を誓え
「ちょっと、待ってくださいっ…」
引かれていた腕を振り払って、立ち止まる。
「……行くって言ってないですから、まだ…」
「あっ…と、ごめん…」
松岡部長がバツが悪そうに私を見る。
「怒ったか…? 俺は、つい目の前のことばかりになるから…悪かったな…」
「……怒ってはいないですから」
申し訳なさそうに頭を軽く下げる松岡部長に言うと、
「本当にか? だったら、やっぱりいっしょに飲みに行ってくれないか…どうせ帰ってもひとりだし、付き合ってほしいんだけど…」
と、途端に顔を上げて、ニッと笑った。
「……じゃあ、少しなら…」
帰ってもひとりなのは、同じだと思った。
ずっと会えないのはやっぱり寂しくて、せめてちょっとだけでも新藤部長の話ができたらとも感じた。