俺様上司に、永遠の愛を誓え

「ねぇまゆ、ランチ誰か他の人と行ってた?」

会社に戻ってくると、恵利にそう訊かれた。

「うん…ごめんね。なんか、松岡部長に誘われて……」

「えっ…松岡部長に?」

恵利が驚いたように見る。


「うん…なんだか、まとわりつかれてて……」

「まとわりつくって……それ…」

と、恵利が口に手をあてる。


「……好きとかなんじゃないの? まゆのこと……」

恵利が上目づかいに、顔をうかがってくる。


「好き?……って、松岡さんが、私を…?」

「そうだよ…好きとかじゃなきゃ、ランチ誘ったりもしないでしょ?」


「うん……」と、考えあぐねて、「……違うと思うけど」と、答える。

「だって、新藤部長の話が聞きたいみたいなこと、言ってたから……」


「新藤部長のことも、探ってきてるの…?」

恵利が言って、

「それ、気をつけなよ…? まゆは、それでなくても、鈍い方なんだから……松岡部長には、少し気をつけた方がいいって…」


と、忠告をされた。


「うん、わかった…気をつけるように、するね…」

そう恵利に肯いた。


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