俺様上司に、永遠の愛を誓え

「……好きなの…だって……好きで、すごく好きで……」

「ああ…好きだから、俺も……」


玄関の壁に背中があたり、口づけが迫ると、

不意に、さっきのキスが浮かんで、

「…イヤッ……」

と、思わず、顔をそむけた。


「……どうしたんだよ…まゆ、おまえ…」

部長が怪訝な顔つきになる。


「キス…したく…ない……」

「……何か、あったのかよ…」

と、顔を覗き込まれた。


「なんにも……」

「嘘をつくなよ…言えよ、俺に…」

「本当に……なんにも…」

と、目をそらすと、


「言えって、言ってるだろ…!」


部長が、怒鳴るように口にした。




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