消せない想い
「彼女は…います!」
その途端、教室中は大騒ぎ。
女子は絶望の叫び、男子は…ただ単に面白がっただけ、かな。
そっと斜めの席のゆうちゃんをみると…
「…っぷ」
わなわなと震えて、瞳はうるうるとさせて…。
そして次の瞬間、ゴンッと音をたてて机に突っ伏した。
それほどショック?
でも周りを見てみると、多くの女子がそうしていた。
「…ごめんな、なんか」
先生は申し訳なさそうにその綺麗な形の眉を下げた。
「あ、そうだ」
と声をあげる先生にみんなが注目すると、
「この事はB組だけが知ってる秘密な」
そう言ってぱちっとウィンクをした。