哭く花
「美岬、なんか元気ないね」
教室について、席に座った途端に
夢ちゃんがそっと飴をくれた。
「ありがとう」
「どったの」
心配して私の机の横にしゃがむ夢ちゃん
顔が本当に心配そうで、あったことを話すことにした。
「それがね…」
話すうちに、明らかに夢ちゃんの顔が面白がっていくのがわかる。
「え!?それってさ!かの…」
「いいの!別に私は貰ってもらっただけで」
夢ちゃんが何を言おうとしたか、わかった。
でも、先生。お父さん。
「だから。」
ないない。そんなの有り得ない。
今の、幸せな日々があればなにも要らない。
「え?なによ、だからって」
「なんでもない!いいの!誰だったか明日教えるね」
ちぇー、と残念がる夢ちゃんが立ち上がると、予鈴がなった。
また、蒸し暑い1日が、始まった。